日本文化的とされるコミュニケーション行動(相互賞賛ならびに関連行動)について、非意識的な側面からも検討を行った。一部の研究においては、中国あるいは米国で得られたデータと比較し、日本での知見との比較検討を行った。主要な成果は以下の通り。①自己謙遜表出に対する規定関係は、日本、中国、米国それぞれに異なり、文化的慣習に関わる行動では、伝統的な文化的自己観概念の枠組みが支持された。②二者間で行われる高揚的会話による心理的変化は、内在化されたものではなく、戦略的な意識の変化と考えられることが示された。③謙遜表出の規定因の検討より、日本人の謙遜表出は、中国人に比べて熟慮された表出であると言えた。
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