研究課題/領域番号 |
22530677
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
田中 知恵 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (50407574)
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研究分担者 |
原島 雅之 千葉大学, 地域観光創造センター, 特任研究員 (20466717)
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キーワード | 社会系心理学 / 社会的認知 / 感情 / 自己関連情報 / 自己制御 |
研究概要 |
1.質問紙研究実施のための計画ならびに研究の実施 自己関連情報処理時の感情状態の役割に関して、すでに実施した研究結果を詳細に分析するとともに、その結果を踏まえて新たな研究計画を立案した。これまで得られた結果から、自己関連情報を処理する際に受け手に導出されたポジティブ感情状態によって否定的な情報への注目が高まること、またそのメカニズムとして自己成長への動機づけの働きが示唆された。先の研究では感情を実験的に導出して検討したがこうした効果は自然生起した感情においても認められるのか検討するため、質問紙調査を実施した。研究では参加者の感情状態を測定した後、成長への動機づけについてたずねた。あわせて性格や知的能力の変化可能性についてもたずね、感情の影響がこの要因によって調整されるかどうかについても検討した。現在、調査データの分析中であり、研究結果は本年度の学会大会(日本パーソナリティ心理学会第21回大会を予定)にて報告予定である。 2.実験室実験実施のための準備 研究の第二の目的である目標への自己制御の働きについて検討するため、自己関連情報条件に加え、他者関連情報条件を設ける実験計画を立てた。感情操作刺激の妥当性ならびに情報フィードバックの手続きに関して検討した。 3.感情制御に関する研究知見の整理 本研究のテーマである感情制御の問題等に関する研究知見を整理し、論文ならびに本の一章を執筆するとともに、学会大会のシンポジウム・ワークショップでの指定討論の際に研究課題を挙げて問題提起をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一の研究目的である自己関連情報処理時の感情状態の役割に対する検討に関して、研究1(実験室実験)ならびに研究2(質問紙調査)を実施し、おおむね仮説を支持する結果を得た。それらの結果を踏まえ、第二の研究目的である目標への制御を組み込んだ感情と自己関連情報処理に関するモデル構築に関しては、本年度と次年度に研究を行い検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでの実施した研究を追試し、結果の頑健さに関して検討するとともに、研究知見を総括してモデルの精緻化を目指す。学会や研究会での発表、学会誌への論文投稿などにより、研究成果を報告する。
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