1.実験室実験の準備と実施 本研究の第2の研究目的である目標への自己制御を組み込んだ感情と自己関連情報処理のモデル構築のため、実験室実験の刺激やプログラムを準備した。続いて刺激やプログラムの妥当性を確認し、実験を実施した(研究計画における研究4)。 研究1~3において認められたポジティブ感情状態にある場合の自己の否定的側面に対する注目が、目標への自己制御のために生じているかどうか検討することが研究4の課題であった。自己に関連する情報を呈示された場合には、これまでと同様の結果が再現されるが、他者に関連する情報を呈示された場合には、感情状態や情報内容の効果が認められないことを予測した。 上記の目的のため、実験では自己に対する情報を呈示される自己条件と、親しい他者に対する情報を呈示される他者条件を設け、他者条件では友人同士のペアに実験参加を依頼した。実験の手続きは以下の通りであった。参加者はパーソナリティ調査課題に回答した後、ポジティブ感情もしくはネガティブ感情導出のための課題に回答した。最後に自己条件では自己情報、他者条件ではペア相手の情報としてパーソナリティ調査課題のフィードバックを呈示された。その際、パーソナリティの諸側面に対する情報を読む時間をプログラムを用いて測定した。統計分析に十分なデータを得るため、今後も実験を継続し、終了後に結果を検討する。 2.調査研究の報告 研究2ならびに研究3に関して学会報告を行った。また論文を執筆し学術誌に投稿した。
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