人が集団に参加する動機としては、①集団それ自体が要求の対象である場合、②集団の外部にある諸要求の充足手段としての加入の2つが考えられるが、高齢者の集団への動機をみると②より①に偏り、特に集団メンバーに対する親和性が高いことを申請者(藤田1980、1983)はこれまでの研究で明らかにしてきた。そのため、親和性の達成に失敗する(仲間ができない、けんか別れになる等)と、生活満足度一挙に低下させてしまうことも明らかにした。そこで、平成24年度の主たる研究目的では、高齢者集団の集団形成の出発から1年間の間の変化のプロセスを追うための縦断研究を行うことと、22年度、23年度に行った研究の総まとめを行い、報告書をまとめることであった。 その結果、高齢者集団の形成には、集団参加の目的は親和欲求を満たすための仲間づくりを求めている人が多いこと、また、仲間づくりが成功するためには、ボンドとなる課題の性質が重要なことが明らかになり、その他の明らかになった知見を含んだ報告書を発行することが出来た。
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