• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

児童・生徒の概念的理解を促進する教科学習の展開とその教育心理学的評価

研究課題

研究課題/領域番号 22530695
研究機関東京大学

研究代表者

藤村 宣之  東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20270861)

キーワード概念的理解 / 児童 / 生徒 / 授業 / 教育評価 / 社会的相互作用 / 探究 / 教育系心理学
研究概要

本研究では,児童・生徒の概念的理解を促進することを目標として,小学校から高校に至る複数の教科で「協同的探究学習」による授業を継続的に実施し,その学習のプロセスと概念的理解に及ぼす効果を教育心理学的に評価することを目的とする。本年度は以下の2つの研究を実施した。
1.中学校・高校における生徒の概念的理解の向上をめざした授業の実施と効果の検証
中学生および高校生の概念的理解を促進するために,中高一貫校における数学,国語,理科の各教科において,(1)生徒の多様な考えを喚起する発問,(2)多様な考えを比較検討する集団討論,(3)個人が理解を深める個別探究の3点の特徴をもつ「協同的探究学習」を継続的に組織し,教育心理学的にそのプロセスと効果を評価した。プロセスの評価に関しては,生徒の発話の分析を行い,各教科の学習方法の改善を継続的に行った。効果の評価に関しては,数学と国語に関して,生徒に自分自身の考えを展開することを求める自由記述型課題を実施し,生徒の回答の内容を分析した結果,概念的理解の水準として,0)関連する要因に着目できない,1)適切な要因に着目する,2)要因間を関連づけることによりメカニズムを理解するという3つの水準に回答が分類可能であることが明らかになった。
2.小学校における児童の概念的理解の向上をめざした授業の実施と効果の検証
小学生の概念的理解を促進するために,小学校の算数科において,1に示した特徴をもつ「協同的探究学習」による学習場面を各学年において継続的に組織した。発話やワークシートの分析から,日常性を重視した問題の設定,多様な考えの関連づけを重視した討論の組織などが概念的理解の向上につながることが示唆された。また,小学生の数学的概念の理解を評価するための自由記述型課題を開発して実施することにより,協同的探究学習による算数授業が概念的理解の促進に効果的であることが示された。.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「協同的探究学習」による授業は小学校から高校にいたる複数の教科で実施され,その学習方法の改善がはかられてきている。また,その授業の効果を概念的理解の視点で測るための自由記述型課題も各教科において開発され,児童・生徒の回答内容をもとに,その分析基準が作成されてきている。

今後の研究の推進方策

小学生から高校生を対象とした「協同的探究学習」による授業を継続的に実施し,概念的理解を評価する自由記述型課題を一定間隔で実施することにより,その授業の効果を長期的に評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 教授・学習活動を通じた数学的概念の変化2011

    • 著者名/発表者名
      藤村宣之
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 54 ページ: 296-311

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi