最終年度は,学校適応感尺度の実践的運用プログラムの策定と,それを用いた教員研修,プログラムの普及を目指した啓蒙活動へとつなげていくステップであった。 具体的には,2012年5月に,下関市教育委員会との連携により,下関市の教員を対象とした「包括的生徒指導のあり方とFITの効果的な活用」と題した研修会を開催,学校適応感尺度の使用に際して「生徒のレッテル張りにつかわない」,「不登校になる生徒の予測に使えるわけではない」,「包括的アプローチについての理解に基づく運用」の三点に留意することを多くの学校担当者に伝える活動を行った。 また,2013年2月には「予防的生徒指導としての協同学習 その理論と実践」と題するシンポジウムを山口大学において開催,学外からの研究者を招聘し,また学内外の院生,学生,教員,研究者が参加して実際の運用モデルの検証を行った。 最終的に,シンポジウムや研修で利用された資料を山口大学教育学部学校教育心理学コースのウェブサイトにおいて公開し,今後このモデルを用いて研究を展開していく際の礎となる窓口を開いた。
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