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2010 年度 実績報告書

広汎性発達障害における少年犯罪の分析と抑止対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530710
研究機関国立大学法人 琉球大学

研究代表者

神園 幸郎  国立大学法人 琉球大学, 教育学部, 教授 (70149334)

キーワード広汎性発達障害 / 高機能自閉症 / アスペルガー障害 / いじめ / 被害関係念慮
研究概要

広汎性発達障害児に対する「いじめ」の実態を把握するために、発達の早期から行動観察を継続中の5年生の例の高機能広汎性発達障害児について、彼らが在籍する通常学級における行動観察を行ってきた。5例のうち2名は高機能自閉症、3名はアスペルガー障害との診断を受けていた。3年生に在籍している2例には「いじめ」の徴候は出現していなかったが、4年生の2例のうち1例には「いじめ」の前駆的状態と思われる現象が散発的に認められ、5年生の1例では、明らかに「いじめ」と認められる事実が確認された。4年生の事例は、体育館での体力測定の場面で測定者の上級生(6年生男児)から記録用紙をわざと床に落とされたり、投げ返されたりする嫌がらせを受けた。級友からは同種の嫌がらせや「いじめ」は確認されなかったが、体力測定などの全校的な行事の際に上級生からの嫌がらせが確認された。また、5年生の事例では同学年の他クラスの特定男児(A)から本児の障害特性に焦点化した執拗なまでのいじめを受けた。そのため、本児は被害関係念慮を持つようになり、「Aが隠れていて僕を狙っている」と言って怯えるようになった。両事例ともに対象児が在籍するクラスの成員からの嫌がらせや「いじめ」は認められず、いずれも上級生や他クラスの児童からのそれであった。担任教師や保護者への聞き取りから明らかになったことは、対象児が在籍するクラスでは、折に触れて対象児の障害特性についてクラス成員に対して丹念に説明がなされていることであった。クラス成員による対象児の理解と日常的な接触経験が「いじめ」を抑止し、対象児への適切な支援に繋がっていることが推察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 広汎性発達障害のある児童生徒に出現するファンタジーへの没入現象2010

    • 著者名/発表者名
      神園幸郎・宮里秀太郎・中龍馬
    • 雑誌名

      琉球大学教育学部発達支援教育実践センター紀要

      巻: 第2号 ページ: 33-45

  • [雑誌論文] 広汎性発達障害児におけるファンタジー-その特性と対応の在り方について-2010

    • 著者名/発表者名
      中龍馬・神園幸郎
    • 雑誌名

      琉球大学教育学部発達支援教育実践センター紀要

      巻: 第2号 ページ: 47-56

  • [雑誌論文] 高機能自閉症児における模倣を利用した社会性障害の改善への試み2010

    • 著者名/発表者名
      古堅亜紗子・神園幸郎
    • 雑誌名

      琉球大学教育学部発達支援教育実践センター紀要

      巻: 第2号 ページ: 57-70

  • [学会発表] 広汎性発達障害におけるファンタジーの特性2010

    • 著者名/発表者名
      神園幸郎・中龍馬
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第48回大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      2010-09-18
  • [学会発表] 発達障害のある児童のための「りゅ~だい土曜教室」の取り組み2010

    • 著者名/発表者名
      中龍馬・神園幸郎
    • 学会等名
      日本自閉症スペクトラム学会第9回研究大会
    • 発表場所
      栃木県教育会館
    • 年月日
      2010-09-11

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公開日: 2013-06-26  

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