本研究は広汎性発達障害による少年非行や犯罪の発生原因を明らかにし、予防策を提案した。第1に「いじめ」の早期発見と学校を挙げての対処で二次障害を来す危険性は低下し、非行を防止できる可能性がある。第2に、広汎性発達障害に特有な「こだわり」による行動が非行に繋がる「悪意のない非行」は、教科学習に潜む特有な危険因子を排除した適切な指導によって防止できる可能性がある。第3に、児童自立支援施設に入所中の広汎性発達障害児への指導は、現行の自立支援計画に加えて、発達障害に対する個別の支援計画の策定が必要である。
|