研究概要 |
近年、デフォルトモードネットワーク(なにもしていないときに互いに相関しあって活動する複数の脳部位)は生後2週間から2年の間にできあがるとの報告(Gao et al., 2009)があり、より早期からの発達研究が必要である。本研究では新生児期から2歳までを研究の対象とし、睡眠・覚醒(sleep-wake)リズムの査定を加えて、注意機能の初期発達を中心とした縦断的な気質研究を目的とする 睡眠および活動の生体リズムを判断するために、日常生活の中でアクチウォッチ(Mini-Mitter社製、Actiwatch64)を新生児の足首に装着してもらった。しかしながら、購入時の様相では、本邦で新生児に使用するには抵抗感(e.g.,赤ちゃんの肌に優しくない)が予想され、しかも機能的ではなかったので(e.g.,足首からはずれやすい)、ベルトの改良等おこない、縦断研究を開始した。 H病院母乳外来でリクルートを行い、睡眠日誌とアクチウォッチの装着(足首)を生後1ヵ月、2ヵ月、4ヶ月、6ヵ月のそれぞれ5日間連続して行った。睡眠日誌は横軸に時刻(15分きざみ)をとり、お風呂等で取り外した時間と、4つの覚醒行動(授乳、おむつ交換、夜泣き、その他の目覚め)をできる範囲で記入してもらった。一方で、乳児の気質を調べるために、乳児行動質問紙(IBQ-R日本版)を実施し、また生後半年には、実験室で視覚的注意課題を実施し眼球運動を計測する。このような縦断研究を現在継続中である。
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