研究課題/領域番号 |
22530712
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中川 敦子 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (90188889)
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研究分担者 |
鋤柄 増根 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (80148155)
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キーワード | 注意 / 気質 / 睡眠・覚醒 / 乳幼児 / 眼球運動 |
研究概要 |
本研究では、発達初期における睡眠覚醒のパタンと気質の関連を検討することを目的とし、腕時計型小型高感度加速度センサー(米国AMI社製アクティグラフ)とIBQ-R日本版を用いて、探索的な縦断研究を生後1ヵ月より行った。 対象は妊娠・出産時にとくに異常がない乳児15名であり、生後1ヵ月と2ヵ月の最初の5日間、足首にアクティグラフを装着した。子どもの装着中母親は簡単な睡眠日誌を記録し、生後4ヵ月には気質質問紙(IBQ-R日本版)に答えた。 アクティグラフによる活動量の分析にはSadehらの基準を用い、24時間、夜間期(20時~8時)、昼間期(8時~20時)に分けてsleep%とlight sleep%を求めた。2要因の分散分析(月齢×昼・夜)を行った結果、Sleep%では昼・夜の主効果と交互作用が認められた。単純主効果検定の結果、Sleep%は2ヶ月齢で昼間のみ有意に減少した。一方、light sleep%では月齢と昼・夜の主効果と交互作用が認められた。単純主効果検定の結果、light sleep%は2ヶ月齢で昼間は有意に減少、夜間は減少の傾向にあった。これらは未熟な脳ほどlight sleepが多いというこれまでの知見に一致する。有意水準をBonferroni法によって調整後(0.05/48=.00104)、上記のsleep%とlight sleep%と気質の関係を検討した結果、有意な相関関係は認められなかった。sleep%の増加は、機嫌がよく規則性があるなどの楽な(easy)気質と正の相関を示すという先行研究の報告があるが、今回、生後2ヶ月までの睡眠覚醒の個人差と、IBQ-R日本版における月齢4ヶ月の気質の間に関連を見出すことはできなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断研究なので、母子の都合により(健康状態や転勤等)、調査時期が多少ずれたり、協力を得られない時期があったりするが、おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
・縦断研究を続けて、生後1年間の睡眠パタンの発達を明らかにする ・発達初期の睡眠パタンの個人差と気質の発達について検討を進める。 ・腕時計型小型高感度加速度センサーによる研究と並行して行っている縦断調査(N=180)において、遊び・あやし方と気質の発達の関係を明らかにする。
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