研究課題/領域番号 |
22530714
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
田村 修一 北里大学, 看護学部, 准教授 (00442020)
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キーワード | チーム援助志向性 / ケースメソッド / 教職志望者 / 教員養成プログラム |
研究概要 |
本研究は、教職志望者の「チーム援助」の志向性(児童生徒の指導・援助場面で積極的にチーム援助を実践しようとする態度)と遂行能力(チーム援助を効果的に遂行するために必要な能力)を高めるプログラム開発を目的としている。 研究2年目の本年は、教職志望者の「チーム援助志向性」を高める目的で「介入プログラム(心理教育+コミュニケーションスキル・トレーニング+チーム援助の成功事例を取り上げたケースメソッドで構成)」を作成した。そして、非教員養成系大学の教職課程科目「生徒指導論」を受講している大学生(中高理科教諭志望者48名、養護教諭志望者13名)を対象に介入プログラムを実施し、教職志望者の「チーム援助志向性」にどのような効果を与えるのかを検討した(「チーム援助志向性」の測定には、既存の「チーム援助志向性尺度(石隈,2000)」を用いた。その結果、中高理科教諭志望の女子学生群にのみ、介入プログラム前後の「チーム援助志向性」得点に有意な差があり、介入プログラムが「チーム援助志向性」を高める効果が認められた。 さらに、介入プログラムの効果の主な要因を検討するために、介入効果の見られた中高理科教諭志望の女子学生群(15名)の授業後の感想コメントを、テキストマイニング・ソフトを用いて質的に分析した。その結果、中高理科教諭志望の女子学生群の「チーム援助志向性」を高めた要因として、(1)ケースメソッド学習が受講生の興味を引き出し、(2)実践場面のイメージがつかみやすく理解が深まり、(3)他の受講生の多様な意見や価値観にふれることで啓発され、その結果、「チーム援助」の必要性や効果の認知を高める効果が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目の段階で、教職志望者の「チーム援助志向性」を高める介入プログラムの作成と効果検証が一応達成できたため。(但し、既存の「チーム援助志向性尺度(石隈,2000)」を用いての検証であった。)
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の段階では、新たに「チーム援助志向性尺度」を作成した後に、「介入プログラム」を作成し、新しい尺度を用いて介入プログラムの効果を検証する予定であった。しかしながら、尺度作成に必要な一定数の調査協力者が得られず、尺度の作成が3年目に先送りされた事情がある。 本研究の最終年度は、新たに「チーム援助志向性尺度」を作成し、「介入プログラム」をさらに改良した上で、再度、新尺度を用いて効果検証を行う予定である。
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