研究課題/領域番号 |
22530716
|
研究機関 | いわき明星大学 |
研究代表者 |
林 洋一 いわき明星大学, 人文学部, 教授 (20145650)
|
研究分担者 |
富田 新 いわき明星大学, 人文学部, 教授 (90261560)
|
キーワード | メール相談 / 相談技法の開発 |
研究概要 |
本年度の前期は、メール相談システムを構築する準備を行った。そして、学長、各学部長、事務局長等の承認を得て、後期ガイダンスの時間に「メールを利用した学生相談」を開始する旨を記した広報用チラシを全学生に配布した。また、学内の学生が見やすい場所にポスターを貼り、そのポスターには携帯電話等で読み取れるQRコードを記して、メール相談のホームページを閲覧しやすいように配慮した。 メール相談システムを構築する際に、基本的なルールとして、相談メールに対する回答は個人では行わず、研究代表者・研究分担者および4名の大学院修士課程臨床心理学専攻の学生が、必ず協議しながら行うようにした。しかし最終的な回答メールの文責は、研究代表者・研究分担者にあるので、回答メールには「回答者」としてどちらかの名前を明記することとした。 実際に受理した学生からのメール相談内容は、非常に多岐にわたっていた。就職を含む進路進学問題、震災時の津波に帰因するPTSD的な症状への対処、家庭内の複雑な人間関係への対処、本人の性格・行動上の問題はもちろん、飼い犬が他人に怪我をさせたという通常の学生相談では、ほとんど扱われないと思われる内容の相談も含まれていた。科目履修の方法についての相談があったことも予想外であった。 これらのメールへの対応を進める中で、返信のタイミング、相談内容を確認する方法、返信する文章の量、リフレーミングなどの対面相談の技法を使う上での注意事項等、検討を要する課題等が明らかになってきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メール相談ホームページの開設と一部修正、広報用ポスター・チラシの作成と配布等は、概ね順調に進展している。ケースについてもぐ当初は予期していなかった相談もあり、分析もある程度まで進んだ。 ただ、平成24年度に入ってからの実相談数が、当初の予測より少ない。この点について、対策を検討している段階である。
|
今後の研究の推進方策 |
メール相談の本制それ自体は概ね整ったが、相談ケース数が減少している。この対策として、以下の措置を取る。 (1)相談期間の延長当初の計画では、平成24年度前期でメール相談業務を停止する予定であった。しかし、ケース数を増やしてより多様な相談事例を収集するため、平成24年度末まで相談期間を延長する。 (2)新たなポスターの作成と配布 作成したポスターは比較的おとなしい図柄のため、やや目立ちにくい。したがって、よりインパクトのあるものを再度作成して掲示する。 (3)チラシの配布方法の工夫 学内の学生が集まる場所にチラシを置き、自由に持ち帰れるようにする。
|