本研究の結果から、メール相談が対面面接と異なる学生の相談ニーズに応え得る可能性を秘めていることが明らかになった。メール相談を、対面の学生相談とは異なる新しい相談チャンネル、もしくは新しい学生支援システムとして、キャンパス内に位置づけていくことは可能であると思われる。一方、メール相談の限界や問題点も明らかとなった。メールのみではクライエントに対する正確な見立てが難しいこと、書き言葉であるため支援者側に対面面接以上に労力が要求されること、緊急介入の難しさ、クライエント側からの中断が容易に生ずること、中断後のフォローが難しいこと、対面面接へのつなぎの難しさ等である。とりわけクライエントの文章読解力や文章作成能力により、メール相談の展開や支援効果に大きな違いが生じてきてしまう点は、メール相談で安定した支援効果を得にくくしている要因の1つであると思われた。
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