生気論的因果とは活力の生成と循環によって生物現象を説明する因果枠組みである。その発達的変化について,以下のことが示された。(1)児童期半ば頃から,生気論的因果は身体固有生物現象を説明する枠組みから心身相関的な枠組みへと変化する。(2)食物摂取と生物現象とのつながりを説明する際,子どもも大人も生気論的因果に言及することがある。(3)病気やケガの原因について説明する際,母親および幼稚園・保育園の先生は生気論的因果に言及しやすい(伝染性の病気について顕著)。(4)食事場面の衛生習慣について説明する際,保育園の先生はその理由を細かく説明しないが,幼児は生物学的メカニズムに踏み込んだ説明を産出できる。
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