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2011 年度 実績報告書

抑制機能の加齢変化とその可塑性-地域在住高齢者の縦断的調査を通して-

研究課題

研究課題/領域番号 22530728
研究機関立命館大学

研究代表者

土田 宣明  立命館大学, 文学部, 教授 (40217328)

研究分担者 吉田 甫  立命館大学, 文学部, 特任教授 (80094085)
大川 一郎  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241760)
キーワード抑制 / 認知機能 / 可塑性 / 高齢者 / 加齢 / 運動コントロール / 行動調節 / 音読計算
研究概要

昨年度に引き続き,今年度も,地域高齢者を対象として,音読・計算活動を中心とした認知リハビリテーションを実施した。頻度は1週間に3回,これを半年間実施した。査定としては,前頭葉機能を査定するFAB,認知機能を査定するMMSEを実施した。また日常行動を評定するために,日常行動評定尺度を構成し,評定を求めた。調査の結果,抑制機能,認知機能ともに維持・改善する傾向がみられた。日常生活評価についても,複数の項目で変化が確認できた。これら点については,次年度以降も継続的に分析する予定である。さらに,今年度は,運動コントロールへの加齢効果を検討した。対象としたのは,若年成人27名と高齢者39名であった。反応形態(type of response)の違いにより,運動の抑制に影響がでるのかを,2つの年齢群を対象にして比較した。さらに,視覚刺激と同時に提示される音刺激(tone stimulus)が運動の抑制に与える影響を同時に分析した。その結果,高齢者では反応形態の違いが,誤反応率に大きく影響することが分かった。さらに,音刺激の提示は,若年成人,高齢者ともに反応を促進し,反応時間を短くする効果のあることが確認された。しかし,高齢者では若年成人に比べ,誤反応を誘発する率も高くなることが分かった。さらに,高齢者では二重課題条件でも,反応形態の違いによる,error rateへの影響が残った。高齢者においては,運動に付随する神経システムの興奮が運動コントロールに強く影響することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

地域高齢者を対象とした縦断的データが,着実に蓄積されつつあるので,(2)の区分にあるものと判断した。

今後の研究の推進方策

来年度は今年度に引き続き,地域高齢者を対象とした認知リハビリテーションの効果について,縦断的なデータを収集・分析する。また,来年度は当研究課題の最終年度にあたることから,研究成果のまとめを行い,学術雑誌への投稿を予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 学習活動の遂行によって認知症高齢者の抑制機能を改善できるか2012

    • 著者名/発表者名
      孫琴・吉田甫・土田宣明・大川一郎
    • 雑誌名

      高齢者のケアと行動科学

      巻: Vol.17 ページ: 2-13

    • 査読あり
  • [学会発表] 健康高齢者の記憶変化に関する3年間の追跡研究-短期記憶と作業記憶を中心とした検討-2011

    • 著者名/発表者名
      高橋伸子・孫琴・吉田甫・土田宣明・大川一郎・箱岩千代治・石川眞理子・坂口佳江・宮田正子・吉村昌子
    • 学会等名
      日本心理学会第75回大会
    • 発表場所
      日本大学(東京都)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] 健康高齢者の記憶と抑制に関する介入研究-3年間の音読・計算活動を中心とした検討-2011

    • 著者名/発表者名
      孫琴・吉田甫・土田宣明・大川一郎・宮田正子・吉村昌子・石川眞理子・箱岩千代治・坂口佳江・高橋伸子
    • 学会等名
      日本心理学会第75回大会
    • 発表場所
      日本大学(東京都)
    • 年月日
      2011-09-15
  • [学会発表] 在宅高齢者を対象とした音読・計算活動の影響について-主観的評価における変化の検討2011

    • 著者名/発表者名
      Lin Shuzhen・大川一郎・吉田甫・土田宣明・孫琴・高橋伸子・石川眞理子・宮田正子・坂口佳江・吉村昌子・箱岩千代治・中村嘉宏
    • 学会等名
      日本心理学会第75回大会
    • 発表場所
      日本大学(東京都)
    • 年月日
      2011-09-15

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公開日: 2013-06-26  

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