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2012 年度 実績報告書

筋ジストロフィーの告知に関する臨床心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530738
研究機関大阪大学

研究代表者

井村 修  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (20176506)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード筋ジストロフィー / 病名と病態の告知 / 心理的サポート / 医師 / 臨床心理士 / インターネット
研究概要

筋ジストロフィー患者への病名、病態告知の望ましいありかたについて調査を行った。筋ジストロフィーでは、告知の心理的衝撃や子どもの病気の理解・受容能力に配慮し、これまで親への告知は行われるが、患児自身に対しては積極的になされて来なかった。しかし、思春期においては、インターネットの不適切な情報から、将来への不安が高まったり、親子関係の悪化を招いたりすることがある。そこで、本研究では、望ましい告知のありかたについて、成人患者やその家族へのインタビュー、筋ジストロフィーの診療経験のある医師を対象にアンケート調査を行った。
成人患者では、思春期の前後に病名や予後を含んだ、病態の説明を望む者が多かった。その理由は、「わからないでいるのは不安」「体を動かせるうちにやりたいことをしたい」などであった。ただし、治療の可能性も含め「希望の部分」も伝えて欲しいという意見もあった。保護者は、積極的な者と慎重な者が、半々の割合であった。積極的な者は、「いずれわかるから」「親子で病気に立ち向かうため」などであり、慎重な者は「子どもの負担になるから」などであった。311名の医師を対象とした調査では、思春期の仮想事例への態度を測定した。7割の医師が告知に積極的であった。その際、両親の病気理解、医師と患児や家族との信頼関係を重視していた。また、医療的サポートと心理的サポートの重要性を回答していた。しかし、臨床心理士などのスタッフの必要性を感じながら、整備が遅れているとの指摘があった。
遺伝子治療により、筋ジストロフィーは治癒可能となり、告知の問題は解消されるかもしれない。しかし、まだそれまでには時間が必要であり、現在療養中患児や家族への心理的サポートは、彼らのQOL向上には必要である。告知の問題は彼らの重要なテーマであり、基礎的なデータを収集するとともに、支援の方法の構築が求められる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Duchenne型筋ジストロフィー児への病気説明に関する調査2013

    • 著者名/発表者名
      藤野陽生・齋藤利雄・井村修・松村剛・神野進
    • 雑誌名

      脳と発達

      巻: 45 ページ: 11-16

    • 査読あり
  • [学会発表] Duchenne型筋ジストロフィー児の母親への対応についての医師への調査研究2012

    • 著者名/発表者名
      藤野陽生・柴田早紀・齋藤利雄・松村剛・井村修・神野進
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会
    • 発表場所
      ロイトイン札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 筋ジストロフィー患者の広汎性発達障害傾向に関する調査(その1)―PARSによる検討2012

    • 著者名/発表者名
      岩田優子・柴田早紀・藤野陽生・齋藤利雄・松村剛・井村修
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会
    • 発表場所
      ロイトイン札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 筋ジストロフィー患者の広汎性発達障害傾向に関する調査(その2)―SRSによる検討2012

    • 著者名/発表者名
      柴田早紀・岩田優子・藤野陽生・齋藤利雄・松村剛・井村修
    • 学会等名
      第54回日本小児神経学会
    • 発表場所
      ロイトイン札幌
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [図書] 筋ジストロフィーの告知に関する臨床心理学的研究2013

    • 著者名/発表者名
      井村修・岩田優子・船越愛恵・柴田早紀・前田直子・藤野陽生
    • 総ページ数
      73
    • 出版者
      自費出版

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公開日: 2014-07-24  

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