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2010 年度 実績報告書

がん医療現場の臨床心理士とがん患者会の協働を促すコミュニティ心理学的試み

研究課題

研究課題/領域番号 22530741
研究機関広島大学

研究代表者

兒玉 憲一  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10186702)

研究分担者 磯部 典子  広島大学, 保健管理センター, 准教授 (80335695)
栗田 智未  広島大学, 保健管理センター, 助教 (90467788)
品川 由佳  広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教 (80403517)
キーワードがん医療 / 緩和医療 / 臨床心理士 / がん患者会 / セルフヘルプグループ / コミュニティ
研究概要

研究初年度の本年度では,わが国のがん患者会が臨床心理士にどのような協働への期待を持っているかを明らかにするため,調査1として,全国のがん患者会を対象に臨床心理士との協働の有無や今後の可能性を探る質問紙調査を行う予定であったが,調査の理論的枠組みの構築及び質問紙を構成する尺度の日本語版の作成が必要であることが判明した。そこで,本年度は,以下の2つの予備調査を行った。予備調査1では,がん患者会に関する内外の心理学的論文を収集し文献的検討を行った。その結果,院外のセルフヘルプグループとしてのがん患者会には,院内の「専門家主導」のサポートグループに対し,「当事者主導」,「ピア・カウンセリング」,「代替治療」などの独自な概念的枠組みが求められることが明らかになった。予備調査2では,あるがん患者会を対象とした半年間の参与観察に基づくエスノグラフィー法による質的分析を試み,がん患者会のコミュニティ援助機能モデルの構築を行った。また,質的分析に基づき質問項目を作成し,がん患者会のコミュニティ援助機能を量的に測定する尺度構成を試みた。具体的には,がん患者会の会員200名を対象に質問紙調査を行った。その結果,「がん患者会援助機能測定尺度」(17項目,4件法)は,「健康な自分として交流する場」(7項目),「援助が得られる場」(4項目),「病について学ぶ場」(3項目),「友情を深める場」(3項目)の4下位尺度で構成されることが明らかになった。また,本尺度得点及び下位尺度得点とがん患者の心理的適応尺度(ベネフィット・ファインディング尺度日本語版)の尺度得点及び下位尺度得点の間に有意な相関が認められた。次年度には,これらの予備調査の結果を学術雑誌で公表するとともに,この結果を踏まえた質問紙を作成し,調査1を実施する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 中高年ボランティアの指導者層の動機と成果認識に関する質的分析2011

    • 著者名/発表者名
      蒲池和明・兒玉憲一
    • 雑誌名

      総合保健科学

      巻: 第27巻 ページ: 31-40

  • [雑誌論文] 軽症アルツハイマー病患者の抑うつ気分と認知機能障害および記憶障害の自覚との関連2010

    • 著者名/発表者名
      荒井佐和子・片山禎夫・兒玉憲一
    • 雑誌名

      心理臨床学研究

      巻: 第28巻 ページ: 353-357

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アルツハイマー病患者におけるもの忘れの自覚と他覚;主観的気分と認知機能との関連を中心に2010

    • 著者名/発表者名
      荒井佐和子・片山禎夫・兒玉憲一
    • 雑誌名

      日本認知症ケア学会誌

      巻: 第9巻 ページ: 488-496

    • 査読あり
  • [学会発表] 緩和ケア(病棟)における心理臨床について(その9)2010

    • 著者名/発表者名
      兒玉憲一
    • 学会等名
      日本心理臨床学会第29回大会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-09-03
  • [備考]

    • URL

      http://home.hiroshima-u.ac.jp/r740532/bridge/

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公開日: 2012-07-19  

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