本研究において、教師の学校コンサルタントに対するサポート期待、受けたサポート、コンサルテーション有効感の関係について因果モデルを設定し検討した。具体的には、教師が学校コンサルタントに求める援助特性→知覚されたソーシャル・サポート→コンサルテーション有効感という影響関係を想定し、重回帰分析を用いてその影響関係を検討することにより、中学校教師が学校コンサルタントから受けたソーシャルサポートの特徴について考察した。 過去にコンサルテーションを受けたことがあると回答した中学校教師236名に対し調査を行った。質問紙には、教師が認知する学校コンサルタントからのソーシャル・サポート、教師が学校コンサルタントに求める援助特性、コンサルテーション有効感を測定する尺度が含まれていた。 教師が学校コンサルタントに求める援助特性→知覚されたソーシャル・サポート→コンサルテーション有効感という影響関係を検討するために一括投入法による重回帰分析を行った。その結果、<信頼できる態度>から<道具的サポート>および<情緒的サポート>に1%水準で有意なパス係数が認められた。<問題解決志向>から<道具的サポート>および<情緒的サポート>への有意なパス係数は認められなかった。つぎに、<道具的サポート>および<情緒的サポート>からコンサルテーション有効感に1%水準で有意なパス係数が認められた。この結果は、<信頼できる態度>から<道具的サポート>および<情緒的サポート>を経て<コンサルテーション有効感>に間接効果があったことを示している。 本研究では、教師が学校コンサルタントと問題について一緒に考え解決していこうとする姿勢を持つことにより<道具的サポート>および<情緒的サポート>を受けることができ、結果として<コンサルテーション有効感>が高まることが明らかとなった。
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