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2010 年度 実績報告書

覚せい剤受刑者に対する薬物渇望統制のためのコーピングスキル訓練プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22530754
研究機関目白大学

研究代表者

原田 隆之  目白大学, 人間学部, 准教授 (10507742)

キーワード覚せい剤依存 / リラプスプリベンション / コーピング / 認知行動療法 / 薬物渇望 / 刑事施設 / 自助グループ / ランダム化比較試験
研究概要

本研究は,覚せい剤事犯受刑者の薬物再使用のリスク要因である薬物渇望に焦点を当て,それを統制するためのコーピングスキル訓練を開発し,その効果をランダム化比較(RCT)によって検証することを目的としている。
本年度は,まず薬物渇望やコーピングスキルを測定するために,最適な尺度を開発すべく海外の先行研究を検証した。その結果,薬物渇望についてはVisual analogue scale (VAS)を用いることが最適であると判断し,本研究においても活用することとした。またコーピングスキルについては,アルコール依存症研究において広く用いられているCoping Behavior Inventory (CBI) (Litman, et al., 1983) を用いることとし,日本語版を作成した。これにより今後,薬物渇望に対するコーピング反応を客観的に測定することが可能になった。これらの尺度を用い,長期間断薬を継続している者と断薬に何度も失敗している薬物依存者の渇望やコーピングの差を比較し,効果的なコーピングスキルの特定をすることが本年度の具体的な研究内容である。長期断薬継続者としては,自助グループのスタッフやメンバーを対象とし,断薬に複数回失敗している者としては,刑事施設に入所中の受刑者を対象とすることとした。
自助グループについては,東京ダルクを中心に,近隣のダルクのスタッフ,メンバーに随時質問紙を配布し,データ収集中である。ただし,ダルクとの話し合いにより,長期断薬者に限定せず,様々な人々に質問紙を配布する方が調査協力が円滑に進むとの意見を得たため,その方法に従い,一定期間の断薬期間に至らない者は,断薬失敗者のデータをして扱うこととした。一方,刑事施設については,法務省矯正局の協力により,男子施設として東京拘置所,女子施設として笠松刑務所を対象に,男子受刑者50名,女子受刑者50名に対して質問紙を配布し,現在データ収集中である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 刑事施設におけるエビデンスに基づいた薬物依存治療2010

    • 著者名/発表者名
      原田隆之
    • 雑誌名

      犯罪心理学研究

      巻: 第48巻第1号 ページ: 51-64

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 薬物依存症治療に対する新しい方略:Matrixモデルの理論と実際2010

    • 著者名/発表者名
      原田隆之
    • 雑誌名

      日本アルコール薬物医学会雑誌

      巻: 45(6) ページ: 557-568

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Effectiveness of the Brief Prison-Based Methamphetamine Abuse Treatment Program2010

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Harada
    • 雑誌名

      International Journal of Comparative and Applied Criminal Justice

      巻: 34(2) ページ: 383-390

    • 査読あり
  • [雑誌論文] New Initiatives for Drug Abuse Treatment in Japanese Prisons2010

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Harada, Hiroyuki Shinkai
    • 雑誌名

      International Journal of Comparative and Applied Criminal Justice

      巻: 34(2) ページ: 391-404

    • 査読あり
  • [学会発表] 外来アルコール依存症患者に対する認知行動療法プログラム(Matrixプログラム)の実施と効果2010

    • 著者名/発表者名
      原田隆之・山村桂子・田口紀美・山本清子・大石雅之
    • 学会等名
      日本アルコール薬物医学会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉
    • 年月日
      2010-10-07
  • [学会発表] 刑事施設における物質依存治療プログラムの開発,実施,評価2010

    • 著者名/発表者名
      原田隆之
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] エビデンスに基づいた犯罪心理学と刑事政策2010

    • 著者名/発表者名
      原田隆之
    • 学会等名
      日本犯罪心理学会
    • 発表場所
      目白大学
    • 年月日
      2010-09-19
  • [学会発表] 外来アルコール症患者に対する認知行動療法の実施2010

    • 著者名/発表者名
      山村桂子・田口紀美子・山本清子・原田隆之・大石雅之
    • 学会等名
      日本アルコール関連問題学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2010-07-16
  • [学会発表] Evaluating the Prison-Based Methamphetamine Treatment Program with the CONSORT Statement2010

    • 著者名/発表者名
      Takayuki Harada
    • 学会等名
      World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies
    • 発表場所
      Boston University
    • 年月日
      2010-06-05
  • [図書] ランダム化比較試験(RCT)の設計-ヒューマンサービス、社会科学領域における活用のために2010

    • 著者名/発表者名
      原田隆之・大島巌・津富宏・上別府圭子(監訳)
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2012-07-19  

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