研究課題/領域番号 |
22530759
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
田中 純夫 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (90286170)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 教育系心理学 / 自閉症スペクトラム / スクリーニングテスト / 二次障害 / 臨床 |
研究概要 |
1 青年期における自閉症スペクトラムの関連要因についての調査研究 (1)大学生における自閉症スペクトラムに関連する心理特性についての調査を実施した:大学生を対象として自閉症スペクトラム指数(AQ)と精神健康感尺度(GHQ)・抑うつ尺度・強迫性格尺度との関係を調査した。AQと抑うつ尺度および強迫性尺度との間に比較的に高い相関が見出された。 (2)大学生における自閉症スペクトラムとライフイベント経験との関連についての調査を実施した:AQ尺度と大学生活における日常的なライフイベントの経験の有無と調査した結果、AQの下位尺度である「社会的スキル」の欠如と「想像力」の欠如は、対人関係におけるポジティブな経験を減少させる傾向が示された。 (3)大学生における関係性攻撃と関連する心理特性についての調査を実施した:AQと関係性攻撃の下位尺度の中でも「無視・社会的排除」との間に比較的高い相関がみられた。 2 教師による児童生徒の自閉症スペクトラムのスクリーニングテストの作成と教職員研修の企画 通常学級における児童生徒の自閉症スペクトラム傾向を早期に発見するために、教師が学校生活における児童生徒の行動観察の評価から判定できる自閉症スペクトラム指数スクリーニングリストの作成をめざして、試作したチェックリストを教育委員会の適応支援施設のスタッフが通所児童生徒に対して適用した。また、このスクリーニングテストの短縮版の作成も手掛けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1 青年期における自閉症スペクトラムの関連要因についての調査研究については、ほほ必要な尺度についてデータを収集し、ある程度の結果を得ている。3つの学会において成果を発表している。 2 自閉症スペクトラムのスクリーニングテストについては、適応支援センターに通所する児童生徒を対象に実施し、医師による診断や教育相談員、教員等の見立てとおおむね一致する結果を得た。また、スタッフの研修に活用した。
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今後の研究の推進方策 |
1 自閉症スペクトラムのスクリーニングテストを用いた教職員に対する研修スタイルの提出 スクリーニングテストにさらに改良を加え、事例研修は協力を得られる学校および教育委員会関係施設において実施する。できるだけ1年間に複数回の研修を実施し、教職員の理解度の変化、実際の生徒指導上での研修結果について教職員に評価を依頼する。 2 研究の総括と学校教職員向けの啓発資料・研修案内パンフレットを作成する。 3 学会等において研究成果を発表する。
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