1.自閉症スペクトラムとレジリエンスについての質問紙調査結果 青年期における学校適応や発達障害の二次障害を予防する視点を見出すために、自閉症スペクトラムを有する大学生における精神的な回復力の基盤となるレジリエンス要因との関係について調査した。主様な結果として、レジリエンス要因のなかでも生来的に有していると考えられる「資質的レジリエンス」が高い大学生では、自閉症スペクトラム指数(AQ)の得点が低いことが示された。 2.発達障害についてのアセスメント方法を活用した教員研修の提案 自閉症スペクトラム指数および行動特徴チェックリストを活用して、学校内において児童生徒の発達的な問題をアセスメントする方法を導入するために、教育相談や適応支援を担っている教員や相談員(千葉県A市適応支援施設)に対して研修を実施した。研修内容は、アセスメントに使用した行動特徴チェックリストおよび自閉症スペクトラム指数(AQ)の構成について発達障害の医学的臨床心理学的な特徴や診断基準に基づいて概説し、施設に通所している児童生徒の具体的事例に沿ってこのアセスメント方法の適用性を検討した。 教員や相談員からのフィードバックとしては、①AQの教員による評価の難しさ②グレーゾーンとみられる児童生徒への対応の難しさ③学校内でのコンセンサスの図り方、等についての質疑が行われた。
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