本研究の目的はデートバイオレンスの実体を捉えることと加害者に注目したタイポロジーを作成することであった。研究機関を通して、加害者の特性を明らかにするためのデートバイオレンス加害尺度および被害尺度を作成し、その特徴について明らかにするとともに、多変量解析を用いて,デートバイオレンス加害者を、1)補償型不満発散タイプ、2)男性優越価値観保有型 3)心理的支配型、4)境界例型に分類した。なお、実際のデータは集まらなかったがここに5)サイコパス型が追加されるかもしれない。 本年度はこのような研究成果に加え、ストーキングについての追加データ追加分析を行った。デートバイオレンス行動の中で近年最も大きな問題がひきおこされているのがこの問題だからである。4大学の学生493人のデータを分析したところ、ストーキング行動の発現に対しては、交際期間中からの支配依存行動、不満行動が存在し、また、男女交際についての軽さについてはストーキング行動を抑制することがわかった。つまり、相手に対する強い固執型の行動が見られた場合、ストーキングのリスクは大きくなる。また、とくに支配型のDV加害者がこの行動をとりがちである事がわかった。 このような結果と前年までの暴力的ドメスティックバイオレンスの犯人の行動分類を行い、それぞれの犯人ごとに、犯行前行動の特徴、犯行行動の特徴、基本的な対処方法などについてまとめた。これを学生相談や女性センターの専門家が閲覧可能なシステムを構成した。
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