研究課題/領域番号 |
22530765
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
篠田 晴男 立正大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90235549)
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研究分担者 |
田村 英恵 立正大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70350353)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | ニューロフィードバック / セルフコントロール / 自閉症スペクトラム障害 / 注意機能 / 事象関連電 / 脳血流 / 質的研究 / 発達支援 |
研究概要 |
本年度は、ニューロフィードバック(neurofeedback;NF)法を自閉症スペクトラム障害(autistic spectrum disorder:ASD)のある成人を対象に適用し、θ/βトレーニング前後での生理的・心理的変化に関する評価、また、トレーニング経過に伴う主観的変化に関する質的検討を行った。 生理的変化については、脳波周波数分析の結果から、β帯域成分が増大する状態を各自学習したが、一時的な獲得にとどまった。一方で, 心理的変化については、自記式ADHD症状チェックリストを用いて比較した結果,その得点が減少し,注意の切り替えを主とした、自己制御の困難さが減じたことが示唆された。 トレーニングに伴う主観的な変化については、言語報告に対し質的分析を試みた結果,「方略」に限局したものとなり,「コントロール感」,「感想」に関連する報告は、ほとんどみられなかった。「方略」を主とした取り組みが継続されていることは確認されたが、主観的自己制御感を意識する、さらに肯定的な感想につながる動機づけについては、トレーナーが明確化し、ポジティブな言語的フィードバックを伝えることも必要なものと考えられた。今回、事象関連電位による評価では、視覚的オドボール課題下で、選択的注意に関連した事象関連電位N2成分の増大を確認し、さらに近赤外線分光計測により、右前頭前野の脳血流増大も観察され、統御的注意の駆動が生じた可能性も示唆された。負担の少ない計測として、脳血流の指標も期待されるが、ASD事例では、背景となる脳機能の不全が異なる可能性もあり、機能改善の様相を一様に議論することには、限界もある。今回の検討では、事象関連電位の前頭部N2成分、前額部脳血流の左右差などの簡易な指標に絞り、臨床実践の場においても、効果の検証を省力化し、負担を軽減した評価の可能性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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