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2011 年度 実績報告書

うつ病休職者の復職・職場適応支援と再発予防のためのプログラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 22530767
研究機関早稲田大学

研究代表者

鈴木 伸一  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (00326414)

キーワードうつ病 / 再発予防 / 復職支援 / 職場のメンタルヘルス
研究概要

本研究の目的は,うつ病休職者の復職準備や職場適応にかかわる認知的,行動的,情緒的要因を明らかにすることを通して,うつ病休職者の回復・適応過程およびうつ病再発・再燃に関わる諸要因を検討し,得られた知見を踏まえて回復過程の各段階に応じた支援が可能な復職支援プログラムのあり方を検討することである.
平成23年度は,うつ病の発症予測に資するアセスメントツールを開発するとともに,開発された尺度と職場の環境要因や個人のパーソナリティー要因,ストレス関連要因などとの関連について検討し,うつ病休職者の回復・復職・職場適応プロセスに関わる諸要因の影響を検討することであった.
研究の結果,休職前に現れる兆候には,『業務遂行上の支障』,『表情の乏しさと対人交流のなさ』,『不機嫌・怒り感情の表出』に関連する兆候が観察される可能性が示された.さらに,うつ症状がない,もしくは軽度の時に,怒り感情,次いで,表情の乏しさなどが表出し,中等症から重度になるにつれ,仕事上に支障をきたす状態が観察される可能性が考えられる.
さらに,職場の環境要因,個人要因,およびうつ症状との関連を検討した結果,業務の量的負担や働きがいの欠如がうつ症状を高めることが示された.「周囲のサポート」については,サポートがあるほど,うつ症状が低く仕事や生活への満足度は高かった.「職場風土」については,合理的組織風土は,うつ症状を低め,生産性と仕事や生活への満足度を高めることが示唆された.個人内要因として考えられる「罰と報酬への感受性」については,罰への感受性が高いことは,うつ症状を高める可能性が示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成23年度予算は,当初の調査計画が調査協力先の都合により延期され,平成24年度への繰り越し申請を行った.繰り越された計画は,平成24年度前半に予定通りに遂行され,平成23年度研究実績の概要に記載した成果を得た.

今後の研究の推進方策

本研究により,うつ病で休職した勤労者の休職前の兆候について明らかにされた.また,それらの兆候に影響を及ぼす職場の環境要因や個人内要因が示唆された.今後はこれらを職場のメンタルヘルス活動に還元するとともに,復職を果たした勤労者の再発予防の取り組みへと発展させていきたい.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] うつ病の認知行動療法の実際2011

    • 著者名/発表者名
      清水馨
    • 雑誌名

      心身医学

      巻: 51 ページ: 1079-1087

  • [雑誌論文] 「うつ」で休職中の患者への認知行動療法:適応と限界2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木伸一
    • 雑誌名

      精神科治療学

      巻: 26 ページ: 181-187

  • [学会発表] The relations among the BIS/BAS scale for workplaces, job stressor, and stress response.2011

    • 著者名/発表者名
      Okayama, N
    • 学会等名
      The 3rd Asian Cognitive Behavior Therapy Conference
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20110714-20110716
  • [学会発表] Deveropment of the signs of sick leave absence scale2011

    • 著者名/発表者名
      Shimizu,K
    • 学会等名
      The 3rd Asian Cognitive Behavior Therapy Conference
    • 発表場所
      Seoul, Korea
    • 年月日
      20110714-20110716

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公開日: 2014-07-24  

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