研究概要 |
本年度は,解離傾向を測定する尺度に関する先行研究を収集した。近縁概念までを含めた多岐にわたる領域を対象としたため,現在論文化に向けて文献研究の段階である。また,身体表現性解離尺度を用いた調査研究を,大学生対象だけではなく,兵庫医科大学の皮膚科のストレスケア外来にて,ロールシャッハ検査を含めて,データ収集を実施している。大学生を対象とした解離研究の成果として,臨床催眠学会と催眠医学心理学会の合同学術大会において発表した。また,解離性障害の治療について,EMDR学会と心身医学会東海地方会において教育講演を行い,啓蒙を図った。さらに,甲南心理臨床学会においてシンポジストとして話題提供を行った。後者について,近畿アトピー性皮膚炎談話会,兵庫県皮膚科医会総会・学術大会において発表された。これらの総合的な成果のため,トラウマティック・ストレス学会において,シンポジウムの開催と,ポスター発表演題3題のエントリーが済んでいたが,先の東日本大震災のため,学会が延期され,全ての演題がキャンセルされた。論文化については,臨床催眠学に「催眠の解離性障害に対する有効性-結局,解離とは何なのか?-」が,受理された。感情心理学研究に「虐待的養育環境と心身の解離傾向,アレキシサイミア傾向及び心身の健康の関連」が,催眠学研究に「成人愛着スタイルと解離性体験、及び心理的健康の関連」が掲載された。
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