研究課題/領域番号 |
22530775
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
百々 尚美 北海道医療大学, 心理科学部, 講師 (70351707)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 臨床心理学 / 心理学的介入 / 敵意 / ストレス / 自律神経機能 |
研究概要 |
敵意とは攻撃性に関連するパーソナリティの1つの側面であり,敵意が認知と態度,怒りが感情の行動として弁別,定義されている。敵意の高い人は不快な感情を惹起した場面において,敵意の低い人よりも,副交感神経機能が低下傾向にあるため,一定時間経過した後も心臓血管反応の上昇が維持されたままにあることが実験で報告されている。同様のことが日常生活全般においても繰り返されるため,敵意の高い人はCADの発症リスクが高いと考えられる。敵意の高い人のメンタルヘルスを向上するには,彼らがストレスフルな事態に遭遇した時でも自律神経機能をコントロールするためのスキルを学習することが求められる。本申請研究は3つの研究によって構成されている。第I研究では,対人場面においてネガティブな言葉を言われるというストレスフルな事態を操作し,その場面での自律神経系機能の変化を測定する方法論を確立する。第II研究では,ネガティブな言葉を言われるというストレスフルな事態に遭遇した際の敵意の高い人にみられる特有な認知面・行動面を検討する。第III研究では,第II研究の調査結果をもとに介入プログラムを開発し,第I研究で確立した方法論のもとで介入効果を検討する。 H24年度は,実験的にポジティブ-ネガティブ感情,喚起感情を惹起する改訂版感情誘発語視聴覚提示リスト(AAVWL-R)の作成をし,実験室でのリスト視聴後の感情の変化を主観的評価にて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
H24年度より所属が変更となり、H23年度まで行っていた実験環境とは大きく変化することとなった。そのため実験環境を調整するため、H24年度の多くの時間は予備実験に費やさなくてはならなかった。故に、現在の研究の進捗状況は当初の計画よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
実験的にポジティブ-ネガティブ感情,喚起感情を惹起させる有用性の高い道具として改訂版感情誘発語視聴覚提示リスト(AAVWL-R)を開発し,実験室にてそれぞれの言葉リストを視聴後に主観的評価を用い感情を表してもらった。その結果ポジティブ語高覚醒または低覚醒リスト視聴後にポジティブ感情が惹起され,ネガティブ語高覚醒もしくは低覚醒リスト視聴後にネガティブ感情が惹起された。覚醒度については,ネガティブ語高覚醒リストが最も覚醒度が高く,次にネガティブ語低覚醒,またはポジティブ語高覚醒リスト,次いで中性語中覚醒リスト,ポジティブ語低覚醒が最も覚醒度が低かった。この結果を踏まえ,H24年度は自律神経系の活動を検討する予定です。AAVWL-Rにて,ネガティブ語高覚醒リストが覚醒度の高いネガティブ感情を惹起することが確かめられた後に,敵意の高い人とそうではない人において,リスト視聴時の交感神経機能,副交感神経機能の賦活に差異が生じるのか検討する予定である。
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