研究課題/領域番号 |
22530777
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
桂田 恵美子 関西学院大学, 文学部, 教授 (90291989)
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研究分担者 |
赤澤 淳子 仁愛大学, 人間学部, 教授 (90291880)
谷向 みつえ 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (20352982)
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キーワード | 児童養護施設入所児 / ケアワーカー / 愛着 / 相互作用 / ドールプレイ / アダルトアタッチメントインタビュー / バーンアウト |
研究概要 |
平成23年度の研究実施計画において、最も重要な課題は児童養護施設入所児とケアワーカーとの自由遊びにおける相互作用の質を評定することである。その評定のためのガイドラインは、本研究において全く独自に開発することになる。本年度、研究代表者と研究分担者は3回集まり、相互作用の評定に関して検討を重ねた。1回目は、連携研究者(松見)も加わり、行動評定について話し合い、どのような評定方法にするか検討した。そして、NICHDの母子の相互作用の評定を参考に、ガイドラインを作成した。このガイドラインに従い、研究代表者と研究分担者の3名は録画された相互作用の3ケースを実際に個々に評定した。2回目は、上述の3ケースの評定結果を持ち寄り、それに基づいて1回目で作成されたガイドラインの更なる検討を行い、各評定項目により具体的な指標を入れた。その後、全ての相互作用の録画(データ)を1ケース2名が担当するよう割当て、評定を行った。3回目は、各自の評定の一致率から、更に具体的な指標が必要であることが明らかになり、ガイドラインの更なる検討が行われた。子どもとケアワーカーの愛着の組み合わせによって相互作用の質が変わってくるのではないかという本研究の仮説を検討するためにも、信頼性のある相互作用の評定を行うことは大変重要なことであるので、これについては時間をかけて慎重に行っている。評定者間の一致率を高めるためには、今後更なる検討・訓練が必要であると思われる。 ドールプレイやアダルトアタッチメントによる愛着のアセスメントはすでに終了し、他の認定コーダーによる信頼性の確認も行われた。その結果、信頼性は満足のいくものであった。また、ケアワーカーのバーンアウトについては、当初、半構造化面接でおこなう予定であったが、時間的な問題から、質問紙による調査に変更し実施した。その他、児童養護施設入所児のケアワーカーによる行動評定も実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
相互作用の質の評定に計画していた以上の時間がかかっている。本来ならば、研究代表者・研究分担者が一堂に会し集中的に合宿のような形で、ガイドラインを検討し、評定の訓練することが望ましいが、そのような時間が取れないことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、相互作用の質の評定をより信頼性のあるものとするために、もう少し時間をかける予定である。そして、評定の信頼性がある程度確立した後、子どもやケアワーカーとの愛着との関連や愛着の組み合わせとの関連を見て行く。また、その他の変数(例えば、子どもの行動評定やケアワーカーのバーンアウト度)と愛着や相互作用の質との関連など、本研究の目的を達成するための分析が残されている。
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