研究課題/領域番号 |
22530783
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研究機関 | 日本赤十字豊田看護大学 |
研究代表者 |
島井 哲志 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (30136973)
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キーワード | 食行動 / メディアリテラシー / 学校保健 / 健康リスク行動 / ダイエット |
研究概要 |
昨年度に引き続き、国内外の最新の研究実践情報の収集をはかり、メディアが児童と青少年の食行動に及ぼす影響に関する文献を収集し展望した。 メディアリテラシーの測定と評価に関しては、南フロリダ大学のThompson教授の研究グループの開発したSATAQ (Sociocultural Attitudes Towards Appearance Questionnaire)の日本版を検討し、STAQ第3版の短縮版について尺度化論文を、心身医学会の機関紙「心身医学」に公表した(研究発表参照)。この尺度については、摂食障害患者などに対して、臨床的な妥当性の検討を、摂食障害者の治療にあたっている病院との連携を探索している。 また、計画にあったように、先に公表した身体不満足尺度とこのSATAQ-3JSを用いて、中学校1校を対象と調査を実施した。そこで、中学生が特に多く購読している、ファッション雑誌の情報を得たので、その内容について、予備的に分析した。これらの調査結果の概要を踏まえて、食育に関連して、心理学の立場からの提案を、日本学校保健学会の機関紙「学校保健研究」に紹介した(研究発表参照。また、調査結果については、現在、研究協力者のテンプル大学山宮裕子講師を中心に、国際学術誌に投稿準備中である。 青少年向きのファッション誌の内容分析については、水着の特集などが組まれる、春から夏にむかっての号について分析することを計画している。これらの分析は、研究協力者の大阪市立大学千須和直美助教と進めている。当初の計画に比較すると、これらの実施に当たって、研究協力者への謝金として支出する部分が大きくなった。 今年度は、これらの成果を取りまとめて、メディアリテラシーを含めて、健全な食を育成するための教育を、計画するに際して、踏まえておくべき内容を取りまとめて報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
この領域の研究の現状について把握し、おそらく、最も進んだ研究を行っている南フロリダ大学Kevin Thompson研究室出身の研究者(山宮裕子博士)と協力関係をもって研究を進めている。そして、当該の研究室で開発され、この研究領域で最もよく用いられている尺度であるSATAQの日本版の標準化が課題であったが、参加協力機関の理解も得られて進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに実施する。また、基礎的研究はかなり進んだので、実際のプログラム開発に向けて、新しい研究計画の準備を進め、新しい計画による研究費の申請につなげる予定である。
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