研究概要 |
日本の血液がん患者を対象にウェブ調査を実施し、有効治療確立度と病歴によるがん治療法選好の傾向を確認した。下記「平原・山岸 (2011)」により、平成24年度日本認知科学会「特別賞」を受賞した。論文概要は下記の通りである。「本研究では日本におけるがん患者の治療リスク知覚を分析した。医療従事者や患者による逸話的記録の多くから、がん患者の治療リスク知覚は病歴に依存して変化する可能性が指摘される。初発患者は治療及びその帰結に対して楽観的である一方、こうした楽観性は再発患者には見られないことは、逸話的に度々示唆される。この現象を定量的・実証的に把握するため、日本の患者組織から百二十名の調査回答者を得た。結果、初発対再発の比較においては予測されたような楽観性の違いは見られなかった。一方、治療の進行度合いによる違いは系統的に検出可能であった。継続治療中の患者は、寛解中で治療下にない患者に比べ、治療リスク及び予後の経過への見通しがより楽観的である事が明らかになった。因子分析の結果から、リスクの観点として【再発】【積極的治療の有無】【医療事故】の三因子を抽出した。」 関連研究は、次ページの学会発表 Nakamura et al. (2012)、Kuriyama et al. (2012)、及び Terai et al. (2012) の三件で成果を発表した。 平原憲道・山岸侯彦. (2011). 乳がん患者の示す治療リスク認知の楽観性~闘病ステージによる変化, 認知科学, 18, 534-545.
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