研究課題
近年、かたちや色などの視覚的意識に相関した脳活動がヒトの視覚皮質で見つかっている。では、視覚的意識に呼応した活動は意識を伴わない活動からどのように生み出されるのだろうか?本研究は、この意識化過程解明の第一歩として、色と形の知覚の意識化過程の情報処理特性をfMRIによる脳機能測定によって明らかにすることを目的としている。具体的には、連続フラッシュ抑制という知覚現象を利用して、色縞刺激が意識に昇る時と昇らない時の脳活動を様々な色と空間周波数について比較して、意識の伝達関数と呼びうるものを多数の視覚野で測定・比較する。色と空間周波数の任意の組み合わせに対して網羅的に研究を進めるのは効率が悪い。そこでまず、研究初期は主として空間周波数次元に対象を絞って白黒縞刺激を用いた脳活動の測定と解析を行う。その後、色次元の検討を加えることとした。初年度である平成22年度では、2つの予備実験を行った。1つめは、実験系の確立のための探索的なものである。研究代表者と協力者を被験者に種々の実験パラメータでfMRI実験を行って、連続フラッシュ抑制刺激のチューニング、fMRI実験プロトコルの最適化のための実験を行った。現在、結果を解析し、最適なパラメータを探っている。2つめは視覚野の同定のためのものである。質感に特に関連すると思われる腹側の高次視覚皮質は従来のレチノトピー測定では同定が困難なため、その視覚野構成には謎が多い。そこで、受容野が大きい高次野でも通用する新たなレチノトピー測定法を開発した。
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Human Brain Mapping