研究課題/領域番号 |
22530809
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉葉 恭行 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (50436177)
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研究分担者 |
永田 英明 東北大学, 学術資源研究公開センター, 准教授 (20292188)
谷本 宗生 東京大学, 教育学研究科(研究院), 助教 (90301192)
本村 昌文 東北大学, 学術資源研究公開センター, 協力研究員 (80322973)
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キーワード | 教育史 / 日本史 / 科学教育 / 思想史 |
研究概要 |
研究初年度は、旧帝国大学に所蔵されている戦時下の研究体制の形成に関わる行政文書や個人文書類の調査・収集・整理・分析を行った。 1.関係資料の調査・収集 東京大学史史料室、京都大学大学文書館、名古屋大学大学文書資料室、九州大学大学文書館などの旧帝国大学のアーカイブズの資料調査を実施した。また関連文書が所蔵されている広島大学文書館、金沢大学付属図書館、早稲田大学大学史資料センター、慶應義塾大学福澤研究センター等の資料調査を実施した。これらの調査により、戦時下の研究体制の形成に関わる有用な行政文書や個人文書、および個別研究に関する資料を収集することができた 2.収集資料の整理・分析 資料調査と併行して、収集資料の整理および分析に着手した。そして分析の結果、以下のようなことが明らかになってきた。(1)東北帝国大学を事例として関係規程の整備経緯の分析結果より、東北帝国大学では産官との関わりが重視されながら研究体制の形成がなされてきたことが明らかになった。(2)また東京帝国大学総長であった内田祥三が残した個人文書の分析により、戦時下に実施された大学院特別研究生制度については、昭和18年1月の閣議決定後の文部省における総長会議において制度の核心部分が確立されていったことが明らかになった。(3)加えて実際に展開された個別の教育・研究の端緒を解明することができた。 これらの成果により戦時下の帝国大学における学術研究体制形成過程の一端を明らかになってきた。研究成果の一部については日本科学史学会や『東北大学史料館紀要』第6号において報告した。
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