初年度、および2年度の成果を反影させた、図工・美術科においてハーバード・プロジェクト・ゼロの行っているMLV(Making Learning Visible)プロジェクトの成果を援用することで実際に使える具体的な「学習の可視化」のできる「授業研究の支援システム」の「理論」から「実践化」へのデザインを試行した。 代表者・池内の所属する埼玉大学教育学部の附属小学校(3年目も研究協力を得ている)の図画工作科の教員たちの協力のもとに、ドキュメンテーションとポートフォリオの両者を併用し、10月、附属小学校の教員たちと、図工科における発想や構想を働かせる場面の<文脈><場面><状況>を考慮し、それらを抽出し、タブレット端末等を活用して過程を蓄積することによって、他者との比較、自己の振り返りを行うとともに、言語活動、映像による作品の制作過程を示し、タブレット端末等を活用してドキュメンテーション化する試みにより、<文脈><場面><状況>における発話の分析、授業分析などがより明確化できるようになった。 2月、附属小学校の協力を得て、成果を反影する授業研究会を行った。また、平成24年度 埼玉大学教育学部附属中学校教育研究協議会においても「学習指導要領と評価:可視化とパフォーマンス評価」というテーマで学習指導要領と、学習の可視化、ハフォーマンス評価という視点よりこれまでの成果の講演を行った。 以上、本年度の成果として、見えない学習・思考の過程を具体的に「学習の可視化」する方法について、多様な評価方法と文脈による「可視化」といった意義のある調査研究となり、授業研究の分析方法として応用でき支援システムとして有用性が認められた。
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