研究課題
本研究は、これを分担する研究者に共有されている教育研究の問題意識・方法論即ち「教育の臨床的研究」が、教員養成及び教師教育の場にどのような構造転換や質的変化をもたらしつつあるのかを検証する研究である。教育臨床学を学ぶ教員養成課程の学生の学びの過程を解明する手法についての実証的研究を行った。最終年度の今年も、初年度、次年度に引き続き教育研究における臨床的アプローチを身に付けるための講義形式の教育活動を行った。と同時に、学校現場や子どもに関わるさまざまなフィールドで、授業参観・参与観察・学習支援活動・教育実習などさまざまな活動を行い、習得した臨床的アプローチを駆使して教育実践における事実を見通し、伝達知学問知とは異なったレベルでその事実の有り様を、体験知臨床知として得るような教育活動を行い、その学びの過程の記録を行ってきた。最終年度は、教育活動と研究の対象とした学生が卒業研究を行う年度であるために、それぞれの卒業研究に上記の教育活動の成果がどのように反映していたのかを分析した。このまとめについては、今年度中に成果として充分まとめることができなかったが、引き続き分析検証を行う予定である。ここで提供した教育臨床的研究の成果としては、下記13.で示した研究業績のものがあるが、いずれも実際の授業場面を対象にし、教育の具体的な文脈に即して、授業の構成・内容を分析し、従来の教育方法学の手法では欠落した視点を持って教育の実際を捉えようとしたものである。また、フィールドワーク体験学習で学ばれることについて分析を加え、従来の座学では得難い学習の意義をどう捉え、どう高めるのかについて考察を加えたものである。以上の研究の過程を学生と共有すること、さらに成果を学生に提供することを通じて、学生の中にどのような探究の筋道がつくられていくのか、その過程を描き出す作業を重ねた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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埼玉大学教育学部附属教育実践総合センター紀要
巻: 12 ページ: 15-22