本研究は、ヴァイマル時代のドイツにおいて家庭教育がどのように展開し、どのような役割を担うことになったのか、幼児教育や家族を取り扱う雑誌等を主たる分析対象として、消費社会の進展との関係から明らかにすることを目的とするものである。 本研究において、まず、幼児教育の制度化過程において家庭教育の意義が強調され、国家による幼児教育は福祉として議論されたことが明らかにされた。そして、当時の雑誌における商業広告において理想的家庭像が提示され、金融商品等によってそれがより広い階層において実現が可能であることが示され、さらに、ナチス期には理想の大家族のあり方がより誇示されていったことが明らかにされた。
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