平成22年度の研究成果は、次の通りである。 (1)教員養成段階における失敗事例は、学部実習生の失敗事例集を基にして、教職大学院生の失敗事例との異同を明らかにした。 (2)それに関連して、日本教育大学協会研究集会において教職大学院1回生の学びの歩みにそって到達点と課題を明らかにした。 (3)教職3年目までの2つの小学校の若手教員を対象にほぼ1年間にわたって悩みを聞き、授業参観も重ねながら、初期教師教育における到達点と課題を明らかにした。 (4)それに関連して、若手教員と学部実習生の失敗事例との異同も確認した。 (5)(3)で取り上げた一つの小学校において、[○!A]イオネットの電子掲示板で若手教員が授業公開や教材研究で遭遇する諸問題を共有させ、メンター教員や私も参画しながら、指導助言も加えて、問題解決を行うクローズド・システムを導入した結果、若手教員が忌憚なく意見を交わし、悩みを共有し、力量形成で有効であるとの感触を得た。 (6)それに関連して、奈良教育大学教職大学院紀要において今回の研究成果を発表するとともに、[○!A]はファイル添付ができないので、今回は[○!B]Googleグループのホームページでその問題を解決したが、今後は相互の機能的統合が必要であるという課題も明らかにした。なお、この課題については、平成23年1月のGoogleグループの改革がなされた結果、両機能を統合したホームページを試作済みである。
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