まず、日本や関連諸外国でこれまでに蓄積されてきた英語による学位プログラムの開発に関する研究成果の収集と分析を行った。次に.これまでの英語、や日本語および中国語による学位プログラムの開発に関する仮説、理論、その分類法などの分析をした。最後に、日本全国の関連データを収集すると同時に、特に東京大学、東京工業大学および広島大学における英語による学位プログラムの現状を調べて。とう同時に、中国における北京大学、清華大学、北京師範大学、南京大学などのような英語による学位プログラムの開発について現地訪問調査を実施した。 このような先行研究の整理や日中両国の大学における関係者を対象に訪問調査に基づいて、以下のことがわかった。第一に、日中両国において、国際的活躍できる人材を育成するために、英語による学位プログラムを推進するには、さまざまな政策や戦略が実施されている。第二に、国によって、その英語による学位プログラムの開発には大きな違いが見られている。たとえば、中国において基本的には総合的・研究型国立大学を中心にこうした動きが進められていくのに対して、日本では、私立大学がもっと積極的に英語による学位プログラムを提供していると考えられる。第三に、英語による学位プログラムの開発にあたって、専門分野別においても大きな差が存在している。たとえば、両国の大学における経済や管理学関係領域では、多くの英語による学位プログラムが開設されていることは共通点の一つである。 これらの活動に基づいて、来年度、引き続きほかの非英語圏国々における英語による学位プログラムの開発や課題、効果などについて比較研究を行う予定です。
|