研究課題/領域番号 |
22530822
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
黄 福涛 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (60335693)
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キーワード | 国際化 / 英語によるプログラム / 非英語圏 / 比較教育 |
研究概要 |
本年度、主にドイツや、オランダ、中国などの非英語圏諸国における英語による学位プログラムの実態に関する資料を収集した。これに基づいて、一部の大学における英語による学位プログラムの共通点、相違点、その要因などに明らかにした。具体的には、まず、対象国では英語による学位プログラムの開発・提供は高等教育の国際化のなかの重要な位置づけとなっており、特にオラシダや中国の一部の国々において個々の教育機関が英語による学位プログラムの開発や拡大にさらにより大きな役割を果たすようになった。次に、一部の国々では、英語による学位プログラムの実施は最初の時点では、主に研究型大学を中心に進められていた、今日は、一部の地方大学や非伝統大学セクターにおいても、それらの開設が急速に拡大されてきた。第三に、国々により、英語によるプログラムを開発・提供するには、その背景や、目的、実施方法などについて相当な違いがみられる。たとえば、オランダやドイツなどのヨーロッパの一部の国において、英語による授業の開設に関する重要な目的は「国際学生や留学生の獲得」を狙っているのに対して、中国では、それは「自国の学生の英語力の向上」や「自国学生による国際化と異文化への感覚の養成」を目指し、国際的な人材の育成を実現する重要な手段の1つとしても行われていることである。最後に、多くの国々において、英語による学位プログラムや授業の実施は多くの問題を抱えており、そのうち、特に教員と学生両方の英語力の低下や担当教員の負担などの問題がある。また、これらの教育効果に対して如何に評価し、また問題点を改善できるかについて数多くの課題を直面している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本的には、研究計画の通りに、資料収集や関連諸国における英語によるプログラムの開発などについて訪問調査をしたりしている。
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今後の研究の推進方策 |
1.海外訪問調査 ひきつづき、一部の海外の大学および日本の大学に対する訪問調査を行い、近年来・関連諸国における英語による学位プログラムの改革状況を把握する。 2.総合的分析 (1)海外の訪問調査により、特にドイツ、イタリア、フランス、中国、韓国における英語による学位プログラムの状況、それぞれの国の特徴、問題点、開発原理、関連した要因、今後の傾向を明らかにする。(2)こうした国に関する比較研究に基づいて、諸外国における英語による学位プログラムを類型化する。(3)日本に対する先行研究、訪問調査、インタビューなどに基づいて、比較的な視点から、日本の大学においては、英語による学位プログラムの内容とそれらの実施、開発、効果に焦点をあてて、問題点を指摘し、その要因を究明し、政策的な提言、特に機関レベルでの英語による学位プログラムの拡充へのアプローチの開発などを検討する。 研究の成果は、第三年度末に報告書としてまとめ、刊行するほか、国際会議や日本国内の学会発表などの形で適宜公にする。
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