日仏比較分析と社会的紐帯の再生のための課題提起を行なうことを本年度(平成25年3月31日まで)の課題とした。 1)これまでの調査研究をもとに日仏の具体的比較構造モデルを作成分析するについては、教育の場、内容、経済的支援の観点および学校施設型、非学校施設型を観点としてモデルを作成した。 2)比較分析によって日本が学校教育の場に音楽教育が集中していること、すなわち、場の種類が少ないこと、内容については、一部、部活動において多様な音楽文化を地域との対話のためにおこなっていることが明らかになった。 3)日本の市民形成と社会的紐帯の再生のための音楽教育政策・実践の課題としては、 より、貧困にある子どもたちのために音楽教育の場、地域社会の人々と子どもたちが音楽を通じて対話できるように地域の市民も子どもたちもエンパワーメントし、表現し、参加し、対話、交流ができるようにする必要がある。そのために、家族状況に応じた経済的な支援システムが必要となることが明らかになった。 研究課題としては、子どもの貧困状況、貧困世帯の状況と「文化の民主化」の現状を分析することが残されていることが明らかになった。
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