研究実績の中から主な成果について、その概要を説明する。2013年度は二つの国際学会で研究発表を行った。一つは、6月27日にスロヴェニア国立学校博物館で開催された「第15回学校生活と学校史博物館に関する国際会議(15th International Symposium on School Life and School History Museums & Collections )」において「学校博物館の展示における教師のイメージ(On the image of teacher in the exhibition at school museum)」と題して発表したものである。これは、多くの学校博物館には教室の復元があるのに教師の姿は見られないことに着目したものである。教師の姿は絵画作品の教室風景や、おもちゃ博物館に見られるが、男性教師に限られる。女性教師や教師集団が見られないのは、歴史的・社会的条件の反映であることを指摘した。この学会の様子については、追手門学院大学『Musa博物館学芸員課程年報』第28号,2014年3月、で報告した。 もう一つの発表は、8月23日にラトヴィア大学で開催された第35回国際教育史学会(35th International Standing Conference for the History of Education)において行った「コメニウスの教科書は政治権力によって妨害されたのか(Were the textbooks of J.A.Comenius interfered by the political power?)」と題する発表である。 国内の学会では、10月13日に福岡大学で開催された教育史学会第57回大会シンポジウム「大学の歴史を大学教育の視点から振り返る」で行った「大学における教養教育とコメニウスのPansophiaの理念」と題する発表である。 以上のように、4年間の助成期間に行った研究の成果を内外の学会で報告することができた。
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