本年度は研究期間の初年度であるのでまず資料調査を優先した。補助金交付後、当該研究に関し、重要な資料が残されていると思われる以下4カ所の地域調査を実施した。 1. 平成22年9月17日から19日まで、山口県立図書館郷土資料室・同公文書館にて、山口県内の実業補習学校、農業学校、高等小学校の農本的教育実践の事例を調査した。 2. 平成22年11月19日から23日まで、秋田県立図書館・由利本荘市役所・羽後町役場等において文献調査・聞き取り調査を実施し、昭和初期の由利郡西目村の全村教育、雄勝郡羽後町の三輪農士学校に関する資料を収集した。 3. 平成23年2月12日から15日まで、福岡県立図書館郷土資料室・福岡市早良区脇山公民館・福津市役所・福津市立神郷東小学校等で資料調査および聞き取り調査を実施し、福岡県農士学校、福岡県宗像塾、福岡県の全村教育、安部清美に関する資料を収集した。 4. 平成23年2月25日から3月1日まで、鹿児島県立図書館郷土資料室・鹿児島市中央図書館・志布志市立図書館・鹿児島市喜入図書館・南九州市役所・日置市吹上町歴史民俗資料館等で資料調査および聞き取り調査を実施し、昭和戦前期の青年学校の農本的教育実践の事例として、西志布志公民学校、喜入公民学校、頴娃公民学校の資料を収集した。 平成22年度は研究期間初年度であったので、以上のような調査に終始し研究成果の発表にいたらなかった。今年度はこれらの資料をもとにして、秋田県三輪農士学校、西目村全村教育、福岡県全村教育、福岡県農士学校、安部清美の全村教育思想、鹿児島県青年学校等について、それらの教育史的意義を分析する研究発表を日本教育学会および教育史学会等で予定をしている。
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