研究概要 |
3年間の研究期間の2年目となる平成23年度は、前年度の研究成果をさらに深め、インフォーマル教育の基本原理と、教育以外の領域と教育との接続のあり方を中心に研究活動をおこなった。 まず、Alan Rogers,Non-formal Education:Flexible Schooling or Participatory Education ?(Comparative Education Research Centre , The University of Hong Kong,2004)を検討することによって、前年度に整理したフォーマル/ノンフォーマル/インフォーマルの3領域の関係について、さらに明確に把握することができた。 インフォーマル教育の基本原理については、Linda Deer Richardson and Mary Wolfe (eds.),Principles and Practice of Informal Education: Learning through Life (Routledge Falmar,2001)、Tony Jeffs and Mark K. Smith, Informal Education: Conversation, Democracy and Learning (EducationalHeretics Press, revised edution 2005)を中心に検討を行った。両者に共通するのは、学習者との対話を重視し、流れに応じた柔軟な対応を重視する視点であり、インフォーマルおよびノンフォーマル教育に携わるスタッフの役割を再確認することができた。 このほか、教育以外のさまざまな領域の文献の検討をつうじて、NPO・企業などの社会集団の活動や市民主体の政治過程の中に存在する多様な学びと、それらの学びを創出し促進するための多様なしくみをどのようにとらえるか、理論的な枠組みを整理することができた。
|