研究課題/領域番号 |
22530847
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
清水 一彦 筑波大学, 人間系, 教授 (20167448)
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キーワード | いじめ / 不登校 / 移行期教育 / 教育改革 / 区切り / 家庭教育 |
研究概要 |
本研究は、わが国の学校教育における「いじめ」と「不登校」との関係を明らかにするとともに、初等・中等教育の区切りの変更を提言することを目的としている。本年度は、とくに生徒の問題行動に関わる新聞記事や他のデータ資料の分析及び学生へのアンケート調査結果から、中学校教育の相当期における生徒の問題行動の特徴と課題を明らかにした。得られた結果及び知見は、以下のとおりである。 (1)過去25年にわたる新聞記事にみる「いじめ」記事件数は、1986年からは横ばい状況であったのに対し、1995年頃から増加し始め、その傾向は2000年まで続いた。その後減少傾向にあったが、2006年から再び上昇した。 (2)月別にみた「不登校」記事件数は、一年を通じて平均的にみられるが、なかでも4月~5月にかけてと、10月~11月にかけてが、やや目立っている。 (3)「いじめ」「不登校」に関する図書数について、Webcat検索した結果(5カ年ごと)、1996~2000年が1309件、2006~2010年が1336件と多く、またいじめ問題は、およそ臨時教育審議会以降の1986年から多く取り上げられたことがわかる。こうした傾向は、(1)の新聞記事数と同じ周期であることがわかる。 (4)いじめと不登校との関係、及び教育改革に関するA大学の学生アンケート(約60名)調査結果では、(1)いじめと不登校との相関関係あると思う(89%)、(2)いじめの最大の要因は思春期であるから(73%)、(3)いじめをなくすには家庭教育が重要である(47%)、(4)6・3・3制より5・3・4制の方がよい(59%)、となった。学生の多くは教育改革や移行期教育の見直しに関心が多いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大震災によるデータ収集等に一部問題は生じたが、予定していた国内外の研究調査等は実施できたから。
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今後の研究の推進方策 |
これまで海外調査は米国が中心であったが、いじめ・不登校に関しては中国や韓国にも同様な現象がみられ問題となっている。最終年度は海外動向をアジアにも広げて行う予定である。
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