研究課題/領域番号 |
22530850
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
勝野 正章 東京大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (10285512)
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キーワード | 政策文化 / テスト / 目標設定 / イギリス:ニュージーランド |
研究概要 |
今年度は、テストと目標設定に関する政策文化及び政策、さらにそうした政策が教育現場に及ぼす影響についての研究を日本でのインタビュー調査を中心に実施し、比較対象であるニュージーランドとイギリスについては文献研究及び共同研究者であるMartin Thrupp(The University of Waikato,New Zealand)との協働により進行させた。なお、ニュージーランドについては、共同研究者がニュージーランド国内の研究補助金を取得し、ナショナル・スタンダードについての大規模な調査研究を進めており、そこでの研究成果の共有化も進めている。 研究成果の発表については、British Educational Research Association(イギリス教育学会、2011年9月、ロンドン大学教育研究院)において、日本の全国学力テストが自治体と学校において学力向上目標の設定を促進しているなどの影響を及ぼしている事態の分析を、事例研究に基づき、かつイギリス、ニュージーランドとの比較研究の成果も踏まえつつ、研究発表を行った。この研究発表については、事前に大会の広報担当から発表内容についての取材があり、当日もイギリス国内メディアからの取材を受けた。日本の教育におけるテストと目標設定に関する政策、とりわけ、その教育現場における影響は外国でも注目されている。また、11月に東京大学を会場に開催されたThe World Association of Lesson Studies International Conferenceでは、「専門家の学習共同体(professional learning community)」の発展と、テストと目標設定に関する政策と政策文化がどのように相互に影響を及ぼしあうのかという問題についての比較研究の成果を報告した。その他、本研究の成果は雑誌論文及び図書の一部としても公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
9.研究実績の概要にも記したように、共同研究者がニュージーランド国内の研究補助金を得て、本研究と密接に関係する研究に着手しており、それとの協働により当初の計画よりも充実した研究成果をあげつつある。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成24年度は、共同研究者であるMartin Thruppのほかにも、ロンドン大学教育研究院、グラスゴー大学、カーディフ大学の専門研究者との研究交流を推進することで、理論的・比較的・総合的分析を深める。
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