4年間の研究計画期間の最終年にあたる本年度においては、3つのことに焦点を当てて研究を行ってきた。第1は、新自由主義教育改革の進展に伴う人権としての教育という概念の政策レベルにおける融解状況。第2は、新自由主義教育改革の目的である学校体系の複線化にかかわる政策の日本における近年の政策の急展開。第3は、新自由主義教育改革を補完する新国家主義的政策を具体化する「日の丸・君が代」強制である。 第1及び第2については、2012年暮れに起きた政権交代前から自民党内部で起草されていた文書、すなわち、自民党憲法改正草案および教育再生実行会議による中間報告などを分析の対象とし論文を発表してきた。また、第3についても、教育の自由という観点からの分析を行い、裁判所に提出する意見書などに研究成果を公表してきた。
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