本研究の目的は、第一に、教員養成及び研修制度改革についての民主党政権案をはじめとした諸案を比較検討し、その影響や諸条件整備課題を考究することであり、第二に、教員養成制度・研修制度改革の基軸を考案することである。平成22年度の研究実績は、次のとおりである。 1 戦後教員養成・研修制度の歴史的・法的考察を行い、日本教育法学会第40回定期総会において研究報告を行った。養成制度と研修制度を生涯にわたる資質向上制度として捉える視点を提起した。 2 現職研修制度の改革構想に関する研究を行い、日本教師教育学会20回研究大会において研究発表を行った。文献や学会参加により研究動向・政策動向を把握しながら、分析・考察を加えた。 3 教員養成制度改革・研修制度改革や教師の自己形成史を研究する学会・研究会、セミナーに参加し、各層にわたる教員と教育行政関係者・研究者の見解把握を行った。 4 現職教員の大学院等における長期研修の効果と研修要求を把握するために、政令指定都市・中核市立学校の675名の教員を対象に郵送方式による調査を行い、206名からの回答を得た。長期研修要求の実態、教育活動上の効果意識、大学院・教育行政の改善課題を軸に、分析・考察を進めている。 5 中教審「教員の資質能力向上特別部会」の審議状況を分析し、本学教育学部の「これからの教育学部改革を考える」(研究会)において指定討論者として研究成果に基づき議論に参加した。
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