研究課題/領域番号 |
22530872
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研究機関 | 苫小牧駒澤大学 |
研究代表者 |
伊藤 勝久 苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 教授 (90364299)
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研究分担者 |
岡田 路明 苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 教授 (50445102)
蓑島 栄紀 苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 教授 (70337103)
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キーワード | 教育学 / 学校教育 / 授業開発 / アイヌ / 先住民 |
研究概要 |
平成23年度は、前年度に引き続いて学校現場および教育行政における現状把握のため、小学校、博物館および教育委員会での聞き取り調査を行った。今年度は釧路方面(釧路・阿寒湖畔・弟子屈)、オホーツク枝幸方面での調査を行なうとともに、松浦武四郎ゆかりの地である三重県松阪市の市教委、小学校、博物館においても調査を行った。小学校においては「アイヌ民族の歴史と文化」に関わる授業に関して、(1)学年、(2)教科(教科外活動)、(3)単元(含む配当時間と構成)、(4)本時の構成(内容と展開)、(5)授業内容(「アイヌ民族の歴史と文化」に関わる知識・技能等)を中心に聞き取りを行った。博物館では近隣小学校との連携教育についてその教育内容と方法や独自教材について、また、市町村教育委員会においては、「アイヌ民族の歴史と文化」に関する学習を所轄の学校で行うにあたっての、(1)基底カリキュラムの中での位置づけ、(2)教員の「アイヌ民族の歴史と文化」に関わる適切な知識・認識などの構築を支援するための研究会、研修会への取組み、(3)授業支援のための教材等の開発や購入、(4)授業支援のための入材の派遣等を中心に聞き取り、資料を収集した。 研究代表者・分担者と小学校、町教委、博物館で勤務する研究協力者4名の連携を深める目的で、年度後半期(12月>と年度末(3月)に「研究報告会」を行った。ここでは、具体的な授業の構成やそこでの考え方などの意見交換を行うとともに、本研究の社会還元のために開催する予定(平成24年11月)のシンポジウム、および最終報告書の作成に向けて具体的な形が構成できる様に過去二年間のまとめを行い、次年度の行動計画と各自の達成目標の確認を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前半期に当該年度交付金額が不透明になったため、調査の最適期(本務の少ない7-9月)で予定していた調査を控える事となった。結果として、大学での授業がない2-3月に調査が集中する事になったが、現場の学校では既に年度末を迎えているため、当初予定していた調査とは異なった状祝となった。遠隔地での調査に支えられる本事業の性格上、時間とお金という二要素の影響は大きく、平成23年度の場合は未曾有の大災害に対して国家的な規模での対応が求められた結果であり、本事業においては当該年度の遅れは不可避であった。
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今後の研究の推進方策 |
本事業の最終目標として掲げている「具体的で実践可能な授業案」構成のため、研究代表者・分担者・研究協力者の各々が前半期に具体的「授業素案」を構成し、6月と9月に予定されている研究報告会を通して熟成を図る。その後、11月に本事業主体のシンポジウムを行い本事業実践成果の社会還元を図るとともに、参加者(出席者)の意見・批判等を仰ぎつつ「授業案」の完成を志向していく。これらの「授業案」は、本事業最終報告書の中で、担当者の解説付きで活字化する予定なので、12月以降はその完成に向けて事業を動かしていく事になる。 なお、本事業で重要な柱に位置づけられている、学校、博物館、教育委員会での現状把握(聞き取り)調査は、今年度も(とくに前半期に)継続して行う予定である。
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