保育における教育課程の理論は、これまで小学校以上の学校教育の教育課程の理論と方法に準じた形で理解されてきた。しかし、保育における実践は、小学校以上の教科教育と異なり、幼児の主体的な体験(遊び)を中心とする生活によって教育する方法をとっている。よって、このような実践においては、教師がすべての教育内容を事前に計画し、その計画に従って実践を進めるのではなく、子どもと共に生活を作りだし、それを生かす教育課程をデザインしていく必要がある。子どもが生活者として自らの生活を作り出すとき、子どもは生活に埋め込まれた課題を探求しようとする。その探求のプロセスにある学びを構造化することで、保育という実践の教育課程が生成する。
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