研究課題/領域番号 |
22530878
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
内藤 知美 東京都市大学, 人間科学部, 教授 (10308330)
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研究分担者 |
井戸 ゆかり 東京都市大学, 人間科学部, 教授 (60331500)
小泉 裕子 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (80310465)
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キーワード | 現職教育・研修 / 保育者の成長プロセス / 保育者の専門性 / モデリング / コンサルテーション |
研究概要 |
現職保育者の声による保育者の成長プロセスの実態を捉え、それに即した形での現職教育システムを構築することを目的とした研究であり、特に保育者の成長プロセスにおけるモデリング効果、すなわち保育者が保育者として成長するプロセスにおいて、他の保育者をモデルとして観察学習し、保育者としての専門性を高めていることに着目して、研究を進めている。平成23年度は、アンケート・インタビューを実施し、また園内研修に継続的に参与し研究を進めた。研究の過程で、保育者が「自ら学ぶ保育者」として成長する上で、ヴァンダー・ヴェンの保育者の発達段階モデル(1988)による第一段階、第二段階における教育・研修環境の質が問われ、保育者の専門性の確立における重要な契機となることが示唆された。また一方で、この時期の教育・研修環境が整備されない場合は、保育の「面白さ」「充実感」を感じることなく、早期に離職するケースが多いことがわかった。そこで第一段階、第二段階の保育者の揺らぎを「ファーストステージ・クライシス」と捉え、養成段階の実習体験の質、すなわち現職者のモデルとなる実習先指導教員・保育者の学生および子どもに対する受容的態度の有無が「保育者イメージ」を規定する要因となることが明らかになった。また現職の初任・新任段階の保育者に対する外部講師との連携によるコンサルテーションの実際とそれによって保育者がどのように自己肯定感を高めるのか、その役割について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の対象者である保育者の職場環境が極めて多忙であり、その結果、アンケートの回収率が高くないこと、インタビューの実施時間の確保の問題などに影響が出ている。それを補うべく研究代表・共同研究者が頻繁に研究手法について検討し、量的ではなく質的な分析方法へ若干傾斜させながら、研究の質を維持しつつ検討している。
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今後の研究の推進方策 |
保育者の成長プロセスの中で、特に保育者の専門性の確立の時期であるヴァンダー・ヴェン(1988)の保育者の発達段階モデルである第一段階・第二段階の現職教育・研修のあり方に焦点を当てることで、本研究がより明確・精緻なものとなることが研究の過程で示唆された。よってそれを踏まえて、研究を遂行していく。
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