研究課題/領域番号 |
22530879
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
井上 健 東京都市大学, 知識工学部, 准教授 (40259726)
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キーワード | 教育学 / コミュニティ・スクール / 調査研究 |
研究概要 |
地教行法の改正(平成16年)により、保護者や地域住民が一定の権限と責任をもって学校運営に参画する「コミュニティ・スクール」が制度化された。東京都S区のような先進的な自治体では「パイロット的な実践」から「拡充期」に移行しつつあるが、真の意味でコミュニティの学校として定着するかどうかはこれからが本番である。そうした認識のもと、本年度は次の2つの方向に研究を展開した。 (1)コミュニティ・スクールに指定されて3、4年が経過した小学校において、どのような変化が起きているのかを関係者にヒアリングをしながら検討した。学校や地域の状況は異なっていても、コミュニティ・スクールの活動をいかに定着・深化させていくかは共通の課題である。真の意味でコミュニティ・スクールを拡充するためには、それが特別のものではなく、地域での生活や大人と子どもとの関わりのなかで普通のことになっていかなくてはならない。そのためにも、教職員や保護者・地域住民が日常を<コミュニティ・スクールの文脈>で捉え直しながら、学校と地域の結びつきを深めていくことが求められる。そうした問題を私自身の学校運営協議会委員長の経験を踏まえて考察し、所属機関の紀要論文にまとめた。 (2)コミュニティ・スクールの現状や成果を考えるためには、子どもや保護者の地域社会での生活実態や地域に根ざした教育活動への関心や期待などを実証的に捉えておく必要がある。そこで、ヒアリングで得られた知見をもとに調査票を作成し、S区のコミュニティ・スクール4校において、児童(4・5年生)と保護者(1~6年生)を対象に質問紙調査を実施した(調査時期:平成24年1月~2月、サンプル数:児童689、保護者1525)。なお、調査結果の詳しい分析は24年度に行いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
S区においてコミュニティ・スクールに指定された4つの小学校へのヒアリングを行い。得られた知見をもとに調査票を作成し、平成24年1月~2月に4校の児童(4・5年生)と保護者(1~6年生)を対象に「地域(コミュニティ)に根ざした教育活動」に関する質問紙調査を実施した。基本的なデータの入力作業も、23年度内に終了している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究活動は、平成23年度に実施した「地域(コミュニティ)に根ざした教育活動」に関する調査を解析・考察して、報告書にまとめることが中心となる。なお、2月末頃までに「調査報告書」を刊行したいと考えている。
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