コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、保護者や地域住民が学校運営に参画することを可能にした。本研究の目的は、都市部においてコミュニティ・スクールの拡充期にコミュニティ・スクールとして指定された学校の現状と課題を考察することにある。そのために東京都内の公立小学校で調査を実施した。Q小学校運営協議会メンバーへのインタビューからは、保護者、地域住民、教職員がコミュニティ・スクールのビジョンをもって協働することにより、日常的な教育活動に新しい意義を付与していることが見いだされた。また、小学校4校で行った質問紙調査からは、地域の大人との交流が多い子どもはねばり強さや優しさに関して良い自己像を持つ傾向があり、私立中学校よりも公立中学校を選ぶ保護者は地域において良好な人間関係を有する傾向があることなどがわかった。
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